4月16日東京・銀座東武ホテルにて七月大歌舞伎の製作発表があり、玉三郎、右近、笑也、猿弥、笑三郎、春猿、段治郎が出席しました。毎年七月の恒例として昨年まで連続三十三回を数えていた市川猿之助公演に代わり、『桜姫東文章』を昼の部・夜の部で勤める玉三郎らが意気込みを語りました。
坂東玉三郎
『桜姫東文章』 白菊丸・桜姫
七月の歌舞伎座は猿之助さんの奮闘公演ということでございまして・・・私は猿之助さんほど奮闘ができません(笑)。それで、一番長いしっかりとした出し物ということで『桜姫東文章』を決めさせていただきました。この『桜姫』は5時間半、あるいは6時間に及ぶ通し狂言です。19年前にやらせていただいて以来、(興行期間内に)休演日があるとか、あるいは昼夜の間に分かれて大きな休憩があるとかでないと、通しでやることができないという事でご相談してまいりました。食事もできないし、部屋にも帰れないという大役なんでございます。
今回、大変お客様にはご迷惑かと思いますが、昼夜に分けさせていただいて、充実した桜姫の上演を試みたいと思った訳でございます。
これからご一門の方々と力をあわせて、七月の歌舞伎座の興行として、なんとか無事に初日をあけ、千穐楽を迎えたいと思っております。
これを機会に、猿之助さんご一門もますます精進なさってすばらしい俳優さんになられること祈っております。わたくしも一日一日進歩していきたいと思っておりますので、どうぞ皆さんよろしくお願いいたします。
市川右近
『桜姫東文章』入間悪五郎、『三社祭』悪玉、『義経千本桜』佐藤忠信・佐藤忠信実は源九郎狐
『桜姫東文章』では入間悪五郎という敵役を頂戴いたしまして、私のカラーには無いものを経験させていただきます。昼の部では『三社祭』の悪玉を踊らせていただきます。“悪”続きですね(笑)。夜は、『義経千本桜』の四の切の忠信を勤めさせていただきます。師匠猿之助不在の中、師匠のカラーが少しでもお客様にお届けできればと思っております。
師匠の猿之助はいつもこう申しております。「役者はとびきり綺麗か、とびきり上手いか、それか、とびきり一生懸命か、この3つのうち一つはなくてはならない」。私には一生懸命しかございません。このような大役を頂戴しまして、懸命に演じて参る所存でございますので、何卒寛容のご見物を皆様方にお願い申し上げます。
市川笑也
『桜姫東文章』吉田松若、
『義経千本桜』静御前
“今までにない”という舞台を皆で作り上げられるのではないかと思っております。ぜひ、通しでごらん頂いたほうが・・・絶対いいです(笑)。どうぞよろしくお願いいたします。
市川猿弥
『修禅寺物語』春彦、
『桜姫東文章』奴軍助、『三社祭』悪玉、
『義経千本桜』亀井六郎
とにかく与えていただいた役を目一杯演じようと思います。ご指導の程よろしくお願いします。
市川笑三郎
『修禅寺物語』姉娘桂、『桜姫東文章』長浦
『修禅寺物語』の桂はもちろん初役でございますが、過去に勤めてまいりました役を振り返りましても新歌舞伎というような狂言にはあまり出演した事がございません。私にとりましては新境地に足を踏み入れたような思いでございますので大変楽しみにいたしております。
『桜姫東文章』の長浦というお役は、これまた私にとりましては新境地を開拓するべく勉強になる課題の大きなお役と承っております。大和屋さんのご指導をいただきながら勉強させていただきます。この七月は、“役者としてあらたなる勉強の場”と一生懸命勤めさせて頂きたいと思っております。
市川春猿
『修禅寺物語』妹娘楓、『桜姫東文章』葛飾のお十
『修禅寺物語』の楓は、大阪新歌舞伎座で一度勉強させていただいていますが、“同じ役を前よりも良く”ということで、とても緊張しております。
今回は玉三郎さんにたっぷりと色々教えていただける良い機会だと思っています。我々もこれから古典歌舞伎をもっともっと勉強していかなければいけないので、こういう機会を逃さず、少し貪欲にご指導いただければと思っております。
市川段治郎
『桜姫東文章』清玄・釣鐘権助・大友頼国
大変な役を勤めさせていただく事に相成りました。『桜姫東文章』は大和屋さんと松嶋屋さんのお芝居が非常に強く焼きついています。それと同時に私の憧れのお芝居で、この清玄と釣鐘権助は一度は挑戦してみたいお役だったので、大変胸が高まる思いでございます。
いま私たちが勤めております、『スーパー歌舞伎新三国志III』も“信ずれば夢がかなう”というテーマに沿ったお芝居なので、奇しくもその2ヵ月後に私の一つの夢がかなうということは大変うれしく思っております。
今、僕らが第一にやらなくてはいけないことは、しっかりとした古典歌舞伎を身に着けることだと強く思っております。このすばらしい機会を与えてくださった関係各位の皆様、そして大和屋さんに深く深くこの場を借りて感謝いたしたいと思っております。
それと同時にこの七月大歌舞伎を長年続けてこられた師匠のためにも一生懸命勤めたいと思っております。どうぞ皆様にもご指導ご鞭撻の程よろしくお願いします。
(2004.4.16現在)
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