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 歌舞伎座のシンボルマークとして目にされることも多い「鳳凰丸」。この鳳凰をシンボライズしたデザインエレメントは、奈良の法隆寺がオリジンというのは意外に知られていない事実です。
  明治22年歌舞伎座落成当時の座主であった福地源一郎は、池之端に自宅を新築した際に、茶人の谷村という人物からすすめられて、法隆寺の寶物に付いていた鳳凰丸の紋を、座敷の釘かくしに使用していました。それをたいそう気に入っていた福地源一郎が、そのまま「歌舞伎座の櫓紋」としたのが、今に至ります。
  さて、この「鳳凰丸」を全面にあしらった“歌舞伎座の瓦”。現在では入手不可能な良質な純粋粘土が使用されているため、風化もすすみ、修復作業が継続して施されています。さらに、今はお客様が出入りする場所に面した“瓦”には、炭素膜による被覆工事が施されています。
  現存する最も古い瓦は、大正末期の関東大震災の修復時に使用されたモノとのこと。10年ほど前に実施された正面の“鬼瓦”の取り替え作業では、その鬼瓦の1枚モノの巨大さと精巧さに、工事を担当した瓦職人たちは驚嘆したと聞きます。
写真と文章・アジャスト田中伸明
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