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絵の上にあるのがスピーカー。意匠にさりげなく溶け込んでいます。
歌舞伎座ではお客様に様々な形で歌舞伎を楽しんでいただけるよう、館内には多くの『スピーカー』を設置しています。
歌舞伎座内へ一歩足を踏み入れば、どこからともなく客席でしか聞こえないはずの笛の音や太鼓の音が聞こえてきませんか?ふと気が付くと『胸が高鳴っている』なんてことがあるのも、こうした演出の影響かもしれません。勿論、お客様への案内放送、開演(開幕)の5分前のブザーもスピーカーを通してお伝えしています。
 
また、上演中の音は、客席後方の『監事室』や舞台の袖にある『照明室』で管理され、『放送室』で音量を調節し『売店ロビー』『場内の各食堂』『スタッフ事務所』『楽屋』、驚くことに『お手洗い』にまで届けられています。勿論、様々な所に音声を届けるのには訳があります。
 
上演中に、自分の出番を待つ役者さんにとっては、舞台の進行状況の把握に音声はなくてはならないものです。生きた芝居だからこそ、どんなタイムスケジュールよりも、スピーカーから流れ出す音がタイミングを図る一番の指針となるのです。
また案内係や売店の係員は勿論の事、お食事処の『かぶきそば』では、お客様に一番美味しく召し上がっていただけるように、微妙に変わる芝居の時間を聞き分け準備をしています。(詳しくはこちらを御覧下さい
3階「かぶきそば」のスピーカー
歌舞伎座からお客様へ提供される様々なサービスや最高の演技は、こうした影の演出家たちによって支えられているのですが、歌舞伎座内で唯一『スピーカーの音』が聞こえない場所があるのです。

それは『客席内』!マイクやスピーカーを使わず、生の音だけを4階の幕見席まで響かせる『歌舞伎座の舞台空間』もまた、演出家の1人なのでしょう!

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