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今年も例年に漏れず、梅雨の季節を迎えました。皆様がこの『写真ギャラリー』をご覧になっているその時も、外は雨模様かもしれませんね!
 
この時期、歌舞伎座のある銀座に一歩足を踏み出せば、通りには鮮やかな色とりどりの『傘』が私達の目を楽しませてくれます。そんな光景を眺めながら、都会の喧騒の中でさえ不思議と聞こえてくる雨音に耳を澄ませば、梅雨時にありがちな『鬱々』とした気持ちも不思議と和んできます。
 
遠い昔、梅雨入りした江戸の城下にも今と同じように人々が傘をさして路地を行き交っていたのかもしれません。現在のように自動車も走っていなければネオンが鮮やかな看板も無い街並みに、着物姿で番傘をさして家路を急ぐ…といった庶民の生活を想像してみると、まるで歌舞伎の『世話物』の一場面のようでもありますし、江戸情緒としての原風景が未だに私達の心のどこかに刻み続けられているのではないかとも思えてきます。
と、雨も気持ちの持ちようですが、建物に入ったとたんに傘は一転、「お荷物」に。こんな時には預けてしまうのが一番。下の写真のように、場内地下食堂「花道」へ向かう廊下では「傘立て」が出番を待っています。最近は正面玄関で配られる『専用のビニール袋』に押されて、彼の仕事もめっきり減ってしまったようですが、手回り品は一つでも少ない方が観劇にもやはりラクです。お気軽に青い「ほうおう」マークの番号札とお引き換え下さい。

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