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“大河ドラマ”義経もいよいよ佳境、吉野山から安宅の関、そして大詰め平泉へ、歌舞伎でもお馴染みの名場面を散りばめながら舞台は移って行きます。義経と弁慶の出会いは京は五條の橋の上、その欄干(らんかん)での立ち振舞いはあまりにも有名なお話です。
 
一方、わが歌舞伎座にも朱色と金色に輝く勇壮な欄干が・・・。 当座の欄干は劇場正面唐破風の脇、ここでは“牛若丸”の様に飛び移る大立ち回りは、とても危なくて出来ませんが、造りはたいへん凝っています。写真のとおり、角が直交し、飾りの付いた張り出し部分が反り返った跳高欄(はねこうらん)。劇場正面の顔にくっきりとアクセントを加えています。ただ残念ながら東側側面の欄干は平成2年東新館建設の際、惜しまれながら取りはずされました。
 
そういえば、西側の別館には、私たちでさえ、つい忘れてしまいそうな欄干がもう一つ保存されていました。劇場本体の大きな軒屋根や庇などで隠れてお客様の目には留まりませんが、ある場所から身を乗り出して撮影したのが下の写真です。こちらは端部に親柱を立て、親柱の頂部に宝珠をつけた擬宝珠高欄(ぎほうしこうらん)と呼ばれるもの。
あらためて、昔の名残りを思い出しました。
 

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