バックナンバーへ
戻る
表方さんの法被も、もちろん“紫”
1年で最も華やかな時期を迎えた歌舞伎座では、『坂田藤十郎襲名披露興行』が行なわれています。藤(とう)さまに因み、場内のいたるところでは『紫』や『藤色』を目にする事が出来るのですが、これらの色に対して皆様はどのようなイメージを持たれますか?『気品』『優雅』『風格』などいろいろありますが、古代の日本では『高い地位』を表す時に使われていたようです。
 
襲名商品も“紫”“藤”色が人気
聖徳太子が制定した『冠位十二階』では、官吏の身分や功績などを色で表しており、その最高位に『紫』が使われていました。そもそも中国に伝わる五行説(青・赤・黄・白・黒)の上に『紫』が置かれていた事が由来とされているようですが、その中国でも皇帝の住む所を『紫宮』『紫辰殿』『紫禁城』などと呼ぶ名残があるそうです。
  また西洋でも、貝から採った液で染められた色を『帝王紫』と呼び、染めの原料が貴重な為、高貴な色とされていました。
 
現在の生活の中で普通に使われている『お醤油』も、江戸時代には大変高価な調味料(『お米』の3倍、『塩』の7~8倍)で、その色と高価で貴重であるという事から『むらさき』と呼ぶようになりました。
 
襲名セレモニーでの藤十郎さん
いろいろと話しをさせていただきましたが、いずれにしても藤十郎丈にふさわしいシンボルカラーである事は間違い無いようです。
歌舞伎座での襲名興行は26日(木)まで。是非、『高貴な紫の人、藤さま』の華やかな姿を歌舞伎座でご堪能下さい!
 
 

掲載情報の著作権は歌舞伎座に帰属しますので、無断転用を禁止します。
Copyright(C) 2006 株式会社歌舞伎座