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暦の上では『立春』を過ぎ、暖かい春が待ち遠しいところでこの光景は何?といった感じですが、なかなか珍しい雪景色だったので思わず掲載させていただきました。(1月21日撮影)
 
『何が珍しいの?』と思われるでしょうが、歌舞伎座の屋根にうっすらですが雪が積もっていますし、道路にも若干ですが積雪がありますよね!ズバリこれなのです…。それでも『そんなに珍しい事なの?』と思われるでしょうが、この写真がどれだけ貴重なものかお話したいと思います。
 
その1) 東京に雪が降る事が年に数回程度で大雪になる事も少ない。
御存知のとおり、この季節は太平洋側の地域にはほとんど雨や雪は降りません。また、都内は気温も高めですので、降っても雨になる事が多いのです。
 
その2) 雪が降っても道路や歌舞伎座に雪が積もりにくい。
目の前の『晴海通り』や、隣の『昭和通り』は、車や人の往来が多いうえ、それぞれ地下鉄の『日比谷線』『浅草線』が通っている為、通常の道路よりも地面の温度が高く、雪が積もりにくいようです。(映画『七年目の浮気』でお馴染みの『地下鉄の換気口』からも温かい空気が運ばれていて、その周囲には全く雪がありません)。
また、周囲から見る事ができる屋根は、急な角度の部分が多い構造になっている為、雪が積もりにくくなっています。
 
ざっと、これだけの『雪が積もりにくい条件』があるのですが、なぜ大雪でもなかったこの日に雪景色を見る事ができたのでしょう?
きっと、襲名興行に合わせて『冬将軍』が手向けた『雪化粧』という粋な演出だったのかもしれませんね!
 

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