バックナンバーへ
戻る
 歌舞伎座西側の売店の隅に「会長室」と呼ばれる部屋があります。
 現在、この部屋には松竹創業者大谷竹次郎翁の肖像画が掛けられ、ゆったりとしたソファー数脚が並び、その中央にテーブルが置かれています。
 広めの応接室と言えば雰囲気がお分かり頂けますでしょうか。
 この写真の灰皿は、その「会長室」の隅っこにポツンと置かれています。テーブルの上のガラスの灰皿はかなり頻繁に使われるのに、こちらはめったに使われることはありません。
 クラシックで風格のあるデザインと手間が掛かった作りの製品です。吸殻を押し付けるのは、ちょっと気が引けるのかも。昔はもっと人の出入りの多いロビーのような華やかな場所に置かれていたのでは。人々は談笑しながらこの灰皿を使っていたことでしょう。

 もし今後、歌舞伎座が新しい建物に生まれ変わったら、この灰皿の出番はあるのでしょうか?今でさえ肩身の狭い喫煙者。全館禁煙の興行場が増えているとか、これからは喫煙場所がない可能性もあります。出番はなさそうです。

 花器にでも生まれ変わらせた方がいいのかも。何か良いアイデアはありませんか。

掲載情報の著作権は歌舞伎座に帰属しますので、無断転用を禁止します。
Copyright(C) 2006 株式会社歌舞伎座