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正面玄関の「鬼瓦」です。台(鬼台)の上に載せられており、「鬼瓦」としては、非常に大きく精巧な造りのものです。
典型的な鬼の顔をした「鬼瓦」です。
舞台上大屋根の四隅にあり、お客様の目にふれない、外から見えないところでにらみをきかせています。
屋根の上に何気なく座っている鬼瓦ですが、これには2つの意味があります。
 
1つは屋根の両端から雨水が入ってこないためのものであり「雨漏りを防ぐ」という機能的な意味をもつものです。
もう1つは、悪霊がよりつかないように、悪いことがおきないようにという「魔除け」の意味がこめられています。
鬼瓦といっても図柄が「鬼」とは限りません。とくに江戸時代以降、一般民家に瓦屋根が普及してくると「鬼」のかわりに、鶴・亀・雲・家紋といった縁起のよいものが好まれるようになったようです。写真(左)の図柄は、雲や立浪を図案化したもので「水」をあらわすことにより、火事にならないようにという思いが込められています。
写真(右)の鬼瓦は、“つりあがった眉”、“大きく見開かれた眼”、“牙を剥き出した口”と典型的な「鬼面」ものですが、じっとみているとどこかユーモラスに見えてきてしまいます。
今までもそうであったように、これからも劇場に災いがこないように、しっかり見守っていてほしいものですね。
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