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 今回は歌舞伎座の座紋「鳳凰丸(ほうおうまる)」の紹介です。「鳳凰丸」は歌舞伎座の創設者の一人、福地桜痴が、新築した自宅の釘かくしに用いたこの紋をいたく気に入り歌舞伎座の紋に採用したのです。
 
 「鳳凰丸」の原形となったのは法隆寺の宝物「鳳凰円文螺鈿唐櫃(ほうおうえんもんらでんからひつ)」に使われた紋様です。さて、皆さんが一番よく目にするのは上の写真・正面玄関の紫の幕に白く染め抜かれ、いつもお客様を出迎えているものでしょう。この他歌舞伎座内には提灯・座席・瓦などいたるところに「鳳凰丸」が描かれています。
 
 どれも同じ鳳凰ですがよく見ると、ちょっと違った形も見受けられます。例えば下左の写真は正面玄関の上にある唐破風の装飾、下右の写真は屋根瓦の中の一つです。上の写真と比べるとより鳥がリアルに描かれていますね。
 
 鳳凰は古来中国では、麟・亀・竜と共に四端として尊ばれた想像上の鳥で、とてもめでたいとされています。この様にたくさんの鳳凰が、この歌舞伎座とお客様をいつも温かく見守ってくれているのですね。
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