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大谷竹次郎

  歌舞伎座の一階西側売店に置かれている置時計は、現在も専門の業者が月に1度のペースでメンテナンスをし、時間との戦いである劇場の日常を、今日も正確に刻んで います。
 ボデイには「1969年4月SEIKO社で製造」と記されていますが、この年は松竹の創業者「大谷竹次郎」翁が92歳で死去した年。芝居興行界の近代化〜歌舞伎の発展にまさに生涯を捧げた翁ですが、その「大谷竹次郎」翁が座右の銘としていた自筆のメッセージが、この置時計の全面に据え付けられています。
 「わが刻(とき)はすべて演劇」、晩年は“百まで生きて歌舞伎を世界の宝にする” と周囲に漏らしていた翁の死去の翌年、日本は大阪万博を皮切りに前例のない高度成長の時代へ突入します。
写真と文章・アジャスト田中伸明
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