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 7月〜8月の休館中に、舞台の張替工事を行いました。写真は廻り舞台の部分を張り替えている最中のもので、このように舞台の奥を見渡す機会はないと思います。
 
 約500平方メートルの舞台の全面張替は15年ぶり。大掛かりな工事でしたが、次の興行の仕込み等もあり、実質1週間という厳しいスケジュールでした。
 床板張替といっても、その土台である「根太」(ねだ:床板を受ける横材)、「大引き」(おおびき:根太を受ける角材)の点検・補強もあり、床板を隙間なく打ち付けた後から、廻り舞台・迫り・切り穴等を寸法通り切り抜いていくという手間のかかるものです。
 能の舞台は、むかしから総檜張りであるのに対し、その能舞台の様式を受け継いだ歌舞伎の劇場の舞台床は、杉板張りが一般的でした。その違いは、能が貴族や武士というその当時の上流階級の演劇であったのに対し、歌舞伎が庶民的な大衆演劇であったことによるものと考えられます。しかし、江戸時代後期頃には、「町人文化」の発展とともに、立派な檜板が床板として使われるようになりました。
 役者が立派な劇場に出ることを、「檜舞台を踏む」と言ったりします。また、「人生の檜舞台」、「世界の檜舞台」等々晴れ舞台を表す言葉として一般にひろく使われています。
 歌舞伎座の「檜舞台」はこれからも続きます。
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