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 歌舞伎座の楽屋口に高々と積み上げられた荷物の山。どこかの運送ターミナルのようですが、千穐楽のあと、毎月楽屋口で見られる光景です。ひと月の興行を終えると役者さんとたくさんの荷物が次の舞台のために歌舞伎座を後にして行きます。
 
 屋号や名前の入った箱の通称は“ ボテ ”。化粧道具や楽屋で使う細々としたものが詰まったこの箱は一人で五箱ほどになるそうで、東西南北、はては海外まで役者さんの向かう所に一緒に旅する欠かすことの出来ない大切な相棒です。たまに他の劇場から早めにやって来るボテもあり、そんな時は、本当にあふれんばかりの山となり、それぞれ手際よくトラックや楽屋の奥へ捌かれていくサマは、活気ある楽屋口の風景となっています。
 単に引越しというと、ちょっぴり寂しい面もありますが、ひと月ほどでまた戻ってくるボテもあり、歌舞伎座の場合 “いってらっしゃい”という方がふさわしいのかもしれません。
このような11トン車トラックも、行ったり来たりしています。
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