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 歌舞伎座の座紋は「鳳凰丸」。場内はもちろん、建物に入る前から、いたる所で見られます。この鳳凰丸、そのもとは奈良法隆寺の宝物に見られますが、改めて調べてみました。
 鳳凰は、中国の想像上の霊鳥の名で、雄を鳳、雌を凰と称しています。頭の前方は麒麟、後方は鹿、首は蛇、尾は魚、龍のような鱗があり、背中は亀甲と同じ、顎は燕、くちばしは鶏のようで、仲むつまじく梧桐(アオギリ)の木にすみ、醴泉(あまい泉)を飲み、竹の実を食し、五色の羽毛をもち、鳴けば五音の妙音をだしたということです。何とも奇想天外な生き物で、いかにも歌舞伎にふさわしいと言えます。
 さらに、「徳」を頭に載せ、「義」を背に掲げ、「仁」を心に負い、「信」を翼に入れ、「礼」を足に挟むといわれていて、天下に正しい道が行われていれば現れるそうです。毎月、すばらしい演目に名優達が登場すれば、劇場内に鳳凰が出現するのももっともなことです。
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