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『江戸落語を食べる会~第六回 柳家さん喬の「百川」を味わう』が開催されました

歌舞伎座劇場内3階、お食事処「花篭」で「第六回 江戸落語を食べる会」が、8月30日(金)に開催されました。新装歌舞伎座では3回目となります。

今回の噺家さんは、柳家さん喬師匠。
「私もようやく歌舞伎座の舞台にあがることができました・・・残念ながら檜舞台ではありませんが(笑)」とさん喬師匠、あっという間にお客様の心を掴んでいきます。
演題の一つは『百川』。江戸時代に実在した老舗の料理屋「百川」に、奉公人としてやってきた百兵衛の田舎訛りが原因で巻き起こる騒動のお噺です。

落語に出てくる「百川」は「卓袱(しっぽく)料理※」で広く名が知られ、三都(江戸・京都・大坂)の名物を記し
た『富貴地座位(ふうきじざい)』(1777年)では、江戸の有名料理店(約20店)の一つとしてあげられていました。

<※卓袱料理>
卓袱(しっぽく)料理は、江戸時代に中国から伝わって日本化された中国料理の事。卓袱は食卓にかける布の意味で、転じて食卓を指し、卓袱台(食卓)にのせて供する料理を卓袱料理と呼びました。
詳しくは江戸食文化紀行 no.42「百川と卓袱料理」no.180「百川の卓袱料理」をご覧下さい。



写真上:「百川」にちなんだ献立 写真下:左から膾、お椀、香の物、煮物

お噺の後のお料理は、「百川の卓袱料理」にちなんだ食材。
膾の「鰹・胡瓜・大根おろし(土佐酢かけ)」、お椀の「鯛真丈」、香の物の「茄子と白瓜」の3品。
煮物の「海老かね」は、卓袱料理らしさを出すため献立に加えています。
落語に出てきた「くわいのきんとん」の替わりに「薩摩芋きんとん」、お噺に出てきたように"丸呑み"は禁物で
す・・・(笑)。

お客様からは、「膾や鯛真丈など、当時の卓袱料理を想像して楽しみました。」
「卓袱料理や、百川の繁栄を描いた錦絵の資料など、心配りが感じられて嬉しいです。」などのご意見をいただきました。

お土産には、隈取り柄の包装も好評の「赤坂もち」をご用意しました(写真左)。

「江戸落語を食べる会」の次回開催は10月31日(木)。
出演は第一回にもご出演いただいた春風亭一之輔師匠で、演題は『茶の湯』。「茶懐石と饅頭」をテーマに御料理をご用意いたします。詳しくはこちらをご覧下さい。

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