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かつて「バックナンバー第5号」の写真ギャラリーで、歌舞伎座の奈落にある汽缶室をご紹介しましたが、その中で、「汽缶祭(きかんまつり)」のことにも少し触れさせていただきました。
 
さて、その「汽缶」。 耳慣れない言葉かもしれませんが、 広辞苑にもズバリ「ボイラーのこと」とあり、 なるほどいわれてみれば、まさしく名は体を表しているといえます。
歌舞伎座では本格的な暖房が入るこの時期に、昭和26年開場時より毎年、この「汽缶」と火の元の安全を祈願して「汽缶祭」が催されますが、今年は去る11月16日に行われました。
この行事は、もともとは鍛冶屋や鋳物師など常に鞴(ふいご)を使う方たちが、火の恵みに感謝し、その取り扱いに失敗のないよう、旧暦の11月8日に行っていた「鞴(ふいご)祭り」がその起こりです。かつては、ボイラーのある事業所やビルでは必ず この行事は行われていたようですが、 やはり最近は少なくなっているようです。
写真に見えるように、ボイラーの前に立派な祭壇が組まれ、紅白の幕で飾り付けされます。大勢の劇場関係者が参列する中、鐵砲洲稲荷の神主さんによりおごそかに御祓いが行われます。
舞台の上ばかりではなく縁の下にもこだわりを見せる歌舞伎座ならではの光景でしょう。
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