四季で楽しむ江戸グルメ

更新日:2022.06.03

初がつおと歌舞伎

初がつおのシーズン到来だ。江戸では、

○「目には青葉山郭公(ほととぎす)はつ鰹」(山口素堂)(延宝6年・1678)
○「鎌倉を生(いき)て出(いで)けむ初鰹」(芭蕉)(元禄5年・1692)

といった名句が生まれて初がつおブームがおこった。出始めの初がつおには高値が付き、宝井其角は「初鰹一両までは買ふ気也」(元禄7年)と詠み、10万円くらいなら買ってもよいと見栄を張っている。

大坂から江戸に下り、堺町の中村座で大当りを取っていた中村歌右衛門は、文化9年(1812)3月25日、日本橋の河岸へ初鰹が十七本入荷したうちの一本を代金三両に買求めて、中村座の三階でスタッフに振舞っている。かつお一本としては最高値での買い上げである。(『壬申掌記(じんしんしょうき)』)。

河竹黙阿弥作『梅雨小袖昔八丈(つゆこそでむかしはちじょう)』(髪結新三)〔明治6年6月初演・中村座〕の「富吉町新三内の場」では新三が魚売りからかつおを一本買い、

新吉(魚売り) 丸(まる)でおこうか、おろしやしょうか。
新三 刺身(さしみ)は家(うち)でつくるから、片身(かたみ)おろしておいてくんねえ。
権兵衛(合(あい)長屋(ながや)) 新さん、鰹はいくらだね。
新三 初鰹も安くなりやした、一本三分さ。
権兵衛 え、お前(めえ)三分で買いなすったのか。
新三 昨夜(ゆうべ)ちっと呑み過ぎたから、大作りで一杯(いっぺえ)やる気さ。
権兵衛 よく思い切って買いなすったね、わたしなどは三分あると単衣(ひとえもの)の一枚も買います。
新吉 お前(めえ)さんのような人ばかりあると魚売(さかなう)りはあがったりだ、三分でも一両でも高い金を出して買うのは、初というところを買いなさるのだ。

といった会話を交わしている。新三はかつおを三分で買っているが、四分が一両なので、かなりの値段だ。かつおは刺身で食べていて、皮作り(銀皮づくり。腹身の皮の銀色を生かし、皮をつけて作ったさしみ)にもしている。江戸時代、かつおの刺身の調味料にはからし味噌やからし酢などが使われていた。

初鰹の銀皮作り
初鰹の刺身
監修・著飯野亮一
料理紹介

1、初鰹の銀皮作り

鰹刺身、蓮の葉、大葉、酢取り茗荷子、酢取り茗荷竹、花穂、赤芽、浜防風、人参、ラディッシュ ※ポイント キッチンペーパーで鰹を包み、熱湯をかけ、氷水に入れる こうする事で皮についた鱗が取れて、食べやすくなります。

2、初鰹の刺身

3、調味料

左:辛子酢味噌 味噌 45g  砂糖 15g  酢 15㏄  辛子 3g 右:辛子酢 酢 20㏄  辛子 3g
お勧めの日本酒
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